「留菟ちゃんっ…


 何で帰ってないの?
 帰ってると思って…クソッ!」



そう言って私に近づいたと思えば悪魔は私の横をスタスタと歩いて行った。




「ちょっとまって!!!」



このまま…このまま帰したらダメだ!
もしかしたらこれが最後かもしれない…


彼が目の前にいる今伝えないと…!




それでも歩いて行ってしまう悪魔。
背中がどんどん小さくなる…



「待ってよ!
 “奏”っ!!!」


とっさに出た彼の名前。




奏がその場で立ち止まって私は奏に向かって走り出した。

この気持ちだけはちゃんと聞いてもらいたくて…