カラオケ当日、
ちょっと話したいことあるから早めに集まらない?という莉紗の誘いで私はみんなと待ち合わせるより早く莉紗と会い、とりあえずカフェに入った。

莉紗は私の顔を見ては苦笑いをして、何かを話したげだった。でもなかなか切り出してこないので、私からどうしたの?と聞いてみた。

「実はね…
私の誕生日、ゆうちゃんの言うとおり一週間後なんだよね
嘘ついてごめんね」

莉紗は凄く申し訳なさそうに顔を俯かせた。私は莉紗の誕生日を間違えてない自信があったし、莉紗はよく悪巧みを企むから今回もそれだろうと思っていたのでそこまで驚かず、いいよなんて言って笑ってた。

「あとさ…
今回のカラオケ、合コンなんだよね〜
それもお相手は年下大学生でさ、
みきの弟くんの友だちなんだって、さ」

それには流石に私も驚いた。きっと事前にそれを聞いていたらここには来なかったと思う。そんな私の気持ちを悟ってか、莉紗がまた口を開いた。

「ほら、みきのところ、姉弟の仲が前から良くなかったじゃん?
でも弟くんが珍しくお姉ちゃんのこと頼ってくれたってみき凄い喜んでてさ〜…
ちょうどあたしたちで人数合うから、みきが弟くんの力になる手助けしたくて、嘘つきました…。ごめん!」

そう言って莉紗は私の方を向いて両手を合わせた。カフェの人たちが何人かこっちをチラチラ見てくる。私は恥ずかしさから莉紗にいいから普通に座ってと言った。そのあと、そんな事情があるなら、仕方ない、今日だけ、一緒に行くよ。そう言ってちょっとふくれっ面になりながら窓の外を見た。莉紗は良かった、ありがとうと喜んでいる。早く話してくれたらよかったのに。
でも早く話してたらやっぱり私は来なかったかなとか考える。私以外…よしみんはきっと事情聞いたら来そうだし、秘密だったのは私だけか…とか思いながら一層ふくれっ面になりながら今度はカフェオレを啜った。