「なんでわざわざ航呼んだのに黙ってたんだよ」

晶は司路に尋ねる。

「だーってよー…」

司路はゲームの画面を見ながら言う。

「航会って話せた〜つってあんなに喜んでんのにさ、なんか、あの人先生だから、なんかやべーから近寄んなとか可哀想だし、航の話的に、多分、あの人、もう航と会う気ねーから別にわざわざ言わなくていっかーてさ」

「えっそうか?だって次会ったらとかなんとか言ってたじゃん。
あの人も案外航に気ぃあんじゃねーの」

「もし、次会ったら、だろ〜…
もう会う気ないし会うつもりもないけど、もし万が一会ったらしゃーねー教えてやんよっつってんだよ。
それに教員とか、禁断の恋とか、燃えるけどやめた方が良いよ。せめて卒業するまで我慢だろうしな。お互い多分、辛いだけだし。
それか、本当に会う気あって、次会ったら、とかなら脈ありじゃん。ならあっちが多分、良いタイミングはかって言うからさ、なんにしろ、おれらは何を言わない方が良いんだよ。」

そういうと司路はゲームの電源を消し、体を伸ばした。ふーんと言って、小型ゲーム機を離した晶は横になって上を見ながら呟いた。

「なんつーか…
司路って恋愛マスターなのな」

「えっ今の感想それ!?」

2人で笑った後、司路も晶も航と同じようにぐっすり寝た。