「龍ちゃん、よかったな。琴に教えてもらえて」と
タケさんはニヤリと笑った


まさか


「琴、龍ちゃんいい男だろ?」

「そうだねー」


ズギュン!!マジですかー!?


「付き合っちゃえよ」

「あたしに将棋で勝てたらね」


絶対に勝つ!!絶対に強くなる!!


「だって、龍ちゃん。頑張れよ」

「うっす!!」





一体誰が想像しただろうか


つい、2週間前には


銭湯も知らず

自治体の取り組みも知らず

昔からの習慣も知らず



ただ、毎日を過ごしていただけの男が



ヨーグルトに必死になり

一枚の写真に感動し

仕事に対する情熱を改めて思い直し

将棋に燃えている



そして将棋の勝負に

“恋人になれるかどうか”を賭けている



この小さな町で


俺は

壮大なドラマを作ってやるんだっ