龍太へ


この間はお手製の化石標本ありがとう。ぺんぎん屋の子ども達も喜んでたよ。

龍太が子どもばっかり構ってたから、ちょっとだけ妬けちゃうかも。


今回はビッグニュース! ほたるが秋にやっと夏樹と華燭の典を挙げることが決まったんだ。

付き合って6年かな? 何年か前に龍太も龍治さんのことで表したけど。“潮時”だよね。

モテる夏樹の事だから、“年貢の納め時”かもしれないけど。


健太おじさんもお母さんもすごく喜んでた。

ほたるは仕事は辞めずにインターネットで在宅勤務を続けるんだって。なんだか時代の流れを感じるな。


わたしの絵もちょっとだけ腕が上がったかな? だから早春の龍ヶ縁と朝露の景色を絵はがきにして送ります。


龍太も化石標本ばかり作ってないで、ちゃんと家に帰ってね。


そうそう。龍治さんの3人目の赤ちゃんの名前候補、わたしなりに考えてみました。


“絵美留(えみる)”なんてどうでしょう?

美しい絵を留めるように、いつまでも健やかにという意味があります。

我ながらネーミングセンスは破壊的とは思うけど。


じゃあ、また!


20XX年2月28日 清川 鞠