「まず、オマエたち5人。委員会に立候補してくれてありがとう」


先生はそう言って私たちに頭を下げた。


まぁ、私は立候補してないけどね。勝手になっちゃっただけだからね。


「そして、さっさと帰りたいだろうから手短に言うぞ。また詳しいことは明日言うからな」


そう言って先生は淡々と話始めた。


「まず、再来週から全校の学級委員、つまり1年から3年までの学級委員だけで2泊3日の研修に行ってもらう。場所は明日教えるな。その間の学級委員の仕事はクラスで分担して行うことになっている。そして体育委員と文化企画委員の3人は明日からある委員会に出席してもらう。うちの高校は体育祭と文化祭どちらにも気合を入れてるからな。体育祭が5月の下旬から6月上旬にする予定になっている。まだ詳細は決まってないけどな。体育委員はたぶん今年やる競技とか足りない道具とかを調べるはずだから。文化企画委員はこの時期からいろいろ話し合わないと費用とかの問題があるからな。まぁ、今日伝えることはこれだけだ。じゃあ気をつけて帰れよ」


先生は言うだけ言って教室を出ていった。


「職員会議に遅れる」と慌ててたからな…。


「…じゃあ、私も帰る」


「あ、待って。高野さん」


高野さんがカバンを持って教室を出ようとした時、原田さんが止めた。


「あ、あの…せっかくだしみんなでお昼食べて帰らない?」


原田さんの提案にいち早く賛成したのはやっぱり宮田くんだった。


「いいね!吏紗も一緒に食って帰ろうぜ!なぁ!高野も!」


「いや、私はべつに…」


「俺はべつに良いけど…花奏おまえは?」


「とくに…でもあまり遠くに行きたくない」


「よし!4対1だ!高野も行くぞ!」


宮田くんはそう言うと走って教室を出て行った。


「…た、高野さん…なにか用事あった?」


迷惑そうな顔をしている高野さんに原田さんが申し訳なさそうに聞いた。


「…べつにないけど」


「黒瀬さんは…?」


「私も、べつにないよ」


そう言うと原田さんはホッとした表情を見せた。


「じゃあ決まりな。早く行かねぇと奈緒に追いつかねぇよ」


吏紗は「店の場所はメールするから」と私に言って宮田くんを追いかけて行った。


「……」


「……」


「……」


3人とも、無言で廊下を歩く。


なんか変な感じ…原田さんは女の子!って感じだしふわふわしてて綿飴みたいだけど、ピンクめっちゃ似合ってるし。高野さんは原田さんとは逆のクールって感じで青色とか好きそうだしな…私はどちらにも当てはまらないと思うし…。


異色の3人。


今の空気に名前をつけるならこれが一番しっくり来ると思う。