「…お!黒瀬やっと来たか!」


教卓の前に立っているのは、宮田くんと[担任この人だったら嫌だねランキング(仮)]で見事1位となった小園 貴文(たかふみ)だった。


「…あ、お腹と頭痛くなったから私帰るわ」


そう言って回れ右をすれば、ガシっと肩を掴まれた。


「やっと来たな〜くろさきー…俺は待ってたぞー…」


「私は待ってなかったよ…」


「オマエと九条が幼なじみだって聞いてな、ちょっと無理言って同じクラスにしてもらったんだ」


小園はコソっと耳打ちすると、感謝しろとでも言いたげな態度で見てきた。


チッ…べつに頼んでないじゃん…。


「もう良いのか?ま、無理はすんなよ。キツくなったらいつでも言ってこい」


「キツイ帰る」


「おめーなー…今日はダメだ。今日は我慢しろよ。始業式終わったらRHRだからな」


「は?今日、午前中じゃないの?」


話が違うじゃないか与辻先生。


「まぁ、早く終われば早く帰れるな」


良し席着け〜と小園の号令で今まで喋っていた生徒が席に着いていく。


私たちも座席表を確認してそれぞれの席に着いた。


このクラス、吏紗と宮田くん以外ホントに知らない人ばっかだ…。


あ、あの人見たことあるな…でも名前知らない…。


小園先生の話を聞き流しながら見れる範囲だけぐるっと見てみる。


「よーし、じゃあ廊下に並べー 体育館行くぞー」


小園先生の号令で私たちは廊下に並んで体育館に行った。