「だってかなちゃんだろ!?何年かぶりの再会じゃん!会わなきゃいけねぇの!俺のかなちゃんまた美人になってんだろ!?」
お、俺のかなちゃん!?
颯斗くんの言葉にびっくりしながらも2人の会話を横で聞く。
その内容はほとんどが花奏ちゃんだった。
ほんとに、仲良いんだな…。
しばらくして有理ちゃんと宮田くんが一緒に改札口から出てくるのを発見し、3人で改札口まで歩く。
九条くんが弟くんの紹介をして5人で花奏ちゃんの家に向かった。
九条くんの家と花奏ちゃんの家は地区は同じでも少し距離があるらしい。
元々、親同士が高校からの同級生とかで小さい頃から良く一緒にいたと颯斗くんが教えてくれた。
家族ぐるみで旅行に行ったりしてたけど、九条くんたちが小学2年生になる時に花奏ちゃんが転校して、今日会えたら約10年振りの再会だと嬉しそうに話していた。
花奏ちゃんの家が近づく度に、胸がドキドキして押しつぶされそうなくらい痛くなる。
花奏ちゃんが悪いわけじゃないのに、花奏ちゃんに嫉妬しちゃう自分がいて嫌になる。
なんで、今日やる場所が私の家じゃないんだろう…って思っちゃう…。
ピコン
lineの通知音にケータイを覗くと花奏ちゃんからメッセージが来ていた。
【真子、いま不安になってるんでしょ?私は吏紗のこと恋愛としての好きって気持ちはないから。真子の顔色が良くないって有理が言ってたから、不安とかあるんじゃないかって思って。もしほんとに具合悪かったりしたらムリしなくて良いからね。じゃあ、待ってる】
花奏ちゃんにしては珍しく長文なメッセージに驚き、いろいろ見透かされてることに恥ずかしいなと思いながらも、気にかけてくれた有理ちゃんと花奏ちゃんにすごく助けられたなと思った。
この前から悩んでいたモノが、花奏ちゃんからのメッセージと、有理ちゃんの優しさで全部ふっとんだ。
「有理ちゃん…」
小さく隣にいる有理ちゃんに話しかけると「ん?」と目だけこっちに向けてきた。
「ありがとう」
そう言うと、内容がわかったのか、有理ちゃんは「…気にしなくていいよ」と言ってくれた。
今日は勉強会だけど、モヤモヤも消えたから楽しくできそうな気がする!
真子sideおわり