「ね、ねぇ…」


「…ん?」


「…なに?」


原田さんの声にそれぞれの反応をした私と高野さん。


「えっと…あの、と、友だちになってください!」


「「………」」


たぶん、高野さんと私は同じことを思ってたと思う。


この子、言い出すことがいきなりすぎると…。


ご飯行こうとか、友だちになれとか。


「…だめ…かな?」


何も言わない私たちを不安そうに見る原田さんをジッと見つめる。


「……黒瀬さんじゃなくて花奏で良いよ。そのほうが友だちっぽいでしょ…真子」


そう言って笑うと真子は嬉しそうに笑った。


未だに状況を飲み込めないのは高野さんだけらしい…。


「…有理も早く来なよ。置いてくよ」


「有理ちゃん、早く行こう」


私たちより数歩後ろを歩いていた有理はしばらくポカンとしたあと、ふっと笑うと私たちのとこまで小走りで来た。


吏紗から学校からすぐのファミレスに居るとメールがあり、そこまで3人でたわいもない話をしながら向う。


「ほんとに?」


「うん、ただの幼馴染み」


朝もこんなことあったなと思いながら真子からの質問にあくびを噛み殺しながら答える。


「てか、なんでそんなしつこく聞くの」


「え、私しつこかった?」


オドオドとする真子に「かなりね」と言いながら有理に視線を移すと有理もコクンと頷いていた。


「…ごめん」


「いや、謝らんでも…宮田くんもかなりしつこく聞いてきたから」


そう言うと真子は少し安心したような顔をした。


「あー…もしかして真子、吏紗が好きなんか」


「えっ!?」


ちょっとしたイジワルのつもりで言ったのに真子はどんどん顔を赤くしていった。


「…まじか」


へー…。