私が笑うと、男も嬉しそうな顔をした。
「…じゃあ、これからよろしくね?」
男がそう言う。
「え、いやそれは…。」
「行くとこないんでしょ?じゃあいいじゃん。」
それはそうなんだけどなぁ…。
「…えーでも…うー…」
「それに…。」
男は急に真面目な顔になる。
「昨日みたいなことがまたあったら…。」
「…!」
男はそう言うと顔を上げて私を見る。
「……。」
「……よ、」
「…よ?」
「よろしく…お願い、します…。」
私がそう言うと、男は笑った。
「俺は川藤夜一。よろしく。」
「夜一さん…。」
君は?と促される。
私は椅子に座ったまま頭を下げる。
「古谷柚です。よろしく、お願いします。」
「うん。」
こうして、夜一さんと私との同居が始まった。
その事に少なからず嬉しさを感じていた私は、この後衝撃の事実を知ることになるーーーー