一人暮らしの家を出て


いつもの通学路を歩く。


女子の視線を浴びながら。


はぁ〜。


「おはよぉ〜。類〜。」


セミロングのフワフワな髪


パッチリとした大きな目


笑うとほんのりとピンク色になる頬


この可愛い女の子は


白春優(しろはる ゆう)


「おはよ。優。」


「相変わらず類はかっこいいねぇ〜」


「優は可愛過ぎるよ。」


そんなこんなしているうちに学校についた。
門をくぐるといっきに「キャ〜」「類くんかっこいい‼」「白春さんが羨ましい」とかいう声が次々に聞こえてくる。


「始業式そうそう類は女の子にモテモテだねぇ〜。」


「優、いくらなんでものん気にすぎるだろっ」


小さい頃から女の子っぽくはなかった。


だから案の定成長した私は見事な男顔になり男よりはるかに女子にモテるようになってしまったのだ。そしてさらに優とは幼馴染でいつも隣にいたから尚更女に
見えづらい…。


そして、幼馴染はもう一人。

この黄色い歓声は私だけにあがっているものではない。

そう、もう一人の幼馴染の、


「おっす。類。優。」


ほらきた。


黒髪にメガネ。


シュッとした鼻、目、輪郭

冷めていて物静かそうな顔だがその顔からとてつもなく爽やかな笑顔を浮かべる。ギャップというやつだ。


これをイケメンと言わずなんと言おうか。
まぁ、こいつも女であるのだが…


逢沢環(あいざわ たまき)

性格はまぁ、凛々しいことこの上ないな。うん。そして、何度言うがもう一人の幼馴染。


「あぁ。おはよう環。」

「おはよ〜たまちゃん〜」

「類。朝からお前への歓声で学校がすごいことになってるぞ。」


こいつは何をぬかしてやがる。
お前のせいでもあるだろ!

「そのセリフ、そっくりそのままお前に返すよ。環。」

「そうか?まぁこんなとこでもなんだか校舎はいろう。」


そしてさっさと歩き出す環。


「まて。クラス確認してくる。いこうか優。」

「うん。わかったぁ〜」


二人で歩き出そうとすると


「もう確認済み。うちが2組で
二人は1組。あーなんでだ!一人とか最悪だ」

「それはもうどうしようもないよ環。」


「そうだけどさぁー…
あっ!そういえば、新しい先生くるらしいぞ!めっちゃ若いらしい。」


クラス分けの話はもういいのか…笑


「ふーん。てかどっからその情報きいてくるんだ?」


「それなら私もきいたよ〜。イケメンさんらしいねぇ〜。」


「へぇー。ま、あんまり関係ないな。」


そんな話をしながら私達は校舎に入り、それぞれの教室に分かれた。