「ねぇ、葉菜」


その笑顔に話しかける。


「なぁに?ママ」


駆け寄ってきた葉菜を右腕で抱きしめ、左手で、少し膨らんだお腹をさする。


「葉菜がね、お姉ちゃんになったら、この子のために、たくさん、シャボン玉吹いてあげてね」


「そうだぞ。一杯、遊んであげような」


ママとパパに言われて、葉菜は、大きく頷いた。


夫が細く長く息を吐いて、大きな大きなシャボン玉を作った。


葉菜が手を叩いて喜ぶ。


吸い込まれるほど、青い、果てしない空を見上げながら、わたしは、未来を想像してみた。