夫は、葉菜に、伝えようと丁寧に話しているが、こないだ、三才になったばかりの葉菜には、まだまだ、難しい話みたいで、首を傾げている。
そんな葉菜に、苦笑しながら夫は、続ける。
「要するに、葉菜は、シャボン玉さんと仲よくなるためには、シャボン玉さんを捕まえるんじゃなくて、
そこから、大好きだよ~って、叫べばいいんだよ」
夫は、また、シャボン玉を吹いた。
空に浮かぶシャボン玉。
わたしは、空に向かって、歌う。
「シャボン玉とんだ
屋根までとんだ
屋根までとんで
こわれて消えた」
弾けて消えるシャボン玉。
もう見えないシャボン玉に向かって、葉菜は、叫んだ。
「シャボン玉さん大好き~~~!!!」
そして、その愛らしい姿に微笑むわたしと夫に、とびきりの笑顔を見せたのだ。