わたしは望とともに、実家に帰った。


夫と葉菜と暮らした家を出たのだ。


ふたりに後ろめたい気持ちはあったけれど、ひとりで望を育てていく自信など到底なかったし。


何よりも、ふたりの想い出が沢山詰まった家で、いつだって、帰ってこないふたりの姿を探している自分がいたから。


わたしは「戻っておいで」と言ってくれた父の優しさに素直に甘えた。