「陛下……」
頭を抱えて俯くラーシェルに、ギリアスは優しく声をかけた。
「微力ながら、私共が陛下をお支え致します。
そして、この国には私と同じような想いの者が数多くいることをどうぞ心にお留め置き下さい。」
「……ありがとう…」
ラーシェルは俯いたまま小さな声で呟いた。
「私は、今のこんな自分から抜け出すためにも…」
「兵士長!」
「なんだ、ライアン!陛下がお話中だぞ!」
不意に声をかけたライアンに、ギリアスの叱責が飛ぶ。
「いや…私のことは良い。
先にその者の話を…」
「陛下、お話し中に大変申し訳ありません。
ギリアスさん、シスター・シャーリーは診療所で我々を待っているはずです。
早く連絡を取らなければ、心配されるのではないかと思うのですが…
万一、戻って来られたりしたら大変ですし…」
「シスター・シャーリー?
……では、あのシスターはおまえ達の仲間だということか?」
ラーシェルは、聞きなれたその名に、驚いたようにライアンの顔をみつめた。
「はい。瀕死のロジャーを外へ連れ出して下さったのも、あのシスターです。」
「そうだったのか…
では、ジュネとラークのことは…!」
「そ、そのことなら…シスター・シャーリーに聞かないと私共にはわかりません。
ですから、どうか今から私達と一緒にシスター・シャーリーの待つ診療所へ…」
ラーシェルの顔に暗い影が差し、ゆっくりと首を振る。
「残念だが…私は…まだここを離れるわけにはいかぬ。
それよりも……」
ラーシェルは、引出しの中から鍵を取り出し、それをライアンの前に差し出した。
頭を抱えて俯くラーシェルに、ギリアスは優しく声をかけた。
「微力ながら、私共が陛下をお支え致します。
そして、この国には私と同じような想いの者が数多くいることをどうぞ心にお留め置き下さい。」
「……ありがとう…」
ラーシェルは俯いたまま小さな声で呟いた。
「私は、今のこんな自分から抜け出すためにも…」
「兵士長!」
「なんだ、ライアン!陛下がお話中だぞ!」
不意に声をかけたライアンに、ギリアスの叱責が飛ぶ。
「いや…私のことは良い。
先にその者の話を…」
「陛下、お話し中に大変申し訳ありません。
ギリアスさん、シスター・シャーリーは診療所で我々を待っているはずです。
早く連絡を取らなければ、心配されるのではないかと思うのですが…
万一、戻って来られたりしたら大変ですし…」
「シスター・シャーリー?
……では、あのシスターはおまえ達の仲間だということか?」
ラーシェルは、聞きなれたその名に、驚いたようにライアンの顔をみつめた。
「はい。瀕死のロジャーを外へ連れ出して下さったのも、あのシスターです。」
「そうだったのか…
では、ジュネとラークのことは…!」
「そ、そのことなら…シスター・シャーリーに聞かないと私共にはわかりません。
ですから、どうか今から私達と一緒にシスター・シャーリーの待つ診療所へ…」
ラーシェルの顔に暗い影が差し、ゆっくりと首を振る。
「残念だが…私は…まだここを離れるわけにはいかぬ。
それよりも……」
ラーシェルは、引出しの中から鍵を取り出し、それをライアンの前に差し出した。