「そうだ…シスター・シャーリー、大臣には国王はどんな懺悔をされたと言ったのですか?」
「ルシアン様を救えなかったことを後悔されていたと伝えました。」
ライアンは、その答えに納得したように深く頷く。
「その事でずっとお心を痛めていらっしゃったようだと言いましたら、大臣は愉快そうに笑っていました。」
「あの野郎!」
ケネスは、眉間に皺を寄せ、地面を拳で叩きつけた。
「大臣は、そんなことを気に病む等、国王は腑抜けだのなんだのと悪態を吐き、馬鹿にしていました…」
「畜生!あいつ…本当に許せねぇ!」
セスは、ケネスを諌めるように、彼の肩を軽く叩く。
「大臣と国王は違うんだ。
あんな奴のこと、気にする値打ちもないさ。
しかし、そんなことをあなたに話すとは、大臣はあなたのことを完全に味方だと思ってるんですね。」
「え…?ええ……そうだと思います。」
シスター・シャーリーは不意に俯き、小さな声でそう答えた。
「しかし、国王はどうでしょう?
大臣の指示でやってくるあなたのことをどのくらい信じてるんでしょうか?」
「でも、ライアン、国王が食事をされたってことは信じてらっしゃるってことじゃないのかい?
ギリアスさん…そうですよね?」
キルシュの質問に、ギリアスはゆっくりと口を開く。
「そうだな…今の所はやはり疑ってらっしゃる部分もあると思う。
半信半疑といった所だろうか?」
「だったら、なぜ…?」
「……それは陛下が親だからだよ。
子供のことを言われれば、どんな親だって見過ごすことは出来ない。
たとえ、それが嘘かもしれない…罠かもしれないと思っても、だからといって無視することは出来んのだ。」
「そういうものなのですか…僕にはまだ子供どころか結婚さえしていませんからよくわかりませんが…でも、確かに、僕の両親も僕のことをとても愛してくれていると感じたことは何度かありました。」
「……キルシュ、子供が思うよりもずっと親の愛というものは深いものなんだよ。」
そう呟いたギリアスの瞳は、どこか寂しいものだった。
「では、シスター・シャーリー…後の事は私達で決めますから、あなたはもうお戻り下さい。
陛下をお連れする場所の手配のこと、くれぐれもよろしくお願いします。
……これは、あなたにしか出来ないことなのですから…」
「……わかっています。
では…もしも、事前に国王が移されるのが地下のどこなのかがはっきりしたら、またお報せに参ります。」
「よろしくお願いします。」
軽く頭を下げ、部屋を出ようとしたシスター・シャーリーが不意に足を停めた。
「ルシアン様を救えなかったことを後悔されていたと伝えました。」
ライアンは、その答えに納得したように深く頷く。
「その事でずっとお心を痛めていらっしゃったようだと言いましたら、大臣は愉快そうに笑っていました。」
「あの野郎!」
ケネスは、眉間に皺を寄せ、地面を拳で叩きつけた。
「大臣は、そんなことを気に病む等、国王は腑抜けだのなんだのと悪態を吐き、馬鹿にしていました…」
「畜生!あいつ…本当に許せねぇ!」
セスは、ケネスを諌めるように、彼の肩を軽く叩く。
「大臣と国王は違うんだ。
あんな奴のこと、気にする値打ちもないさ。
しかし、そんなことをあなたに話すとは、大臣はあなたのことを完全に味方だと思ってるんですね。」
「え…?ええ……そうだと思います。」
シスター・シャーリーは不意に俯き、小さな声でそう答えた。
「しかし、国王はどうでしょう?
大臣の指示でやってくるあなたのことをどのくらい信じてるんでしょうか?」
「でも、ライアン、国王が食事をされたってことは信じてらっしゃるってことじゃないのかい?
ギリアスさん…そうですよね?」
キルシュの質問に、ギリアスはゆっくりと口を開く。
「そうだな…今の所はやはり疑ってらっしゃる部分もあると思う。
半信半疑といった所だろうか?」
「だったら、なぜ…?」
「……それは陛下が親だからだよ。
子供のことを言われれば、どんな親だって見過ごすことは出来ない。
たとえ、それが嘘かもしれない…罠かもしれないと思っても、だからといって無視することは出来んのだ。」
「そういうものなのですか…僕にはまだ子供どころか結婚さえしていませんからよくわかりませんが…でも、確かに、僕の両親も僕のことをとても愛してくれていると感じたことは何度かありました。」
「……キルシュ、子供が思うよりもずっと親の愛というものは深いものなんだよ。」
そう呟いたギリアスの瞳は、どこか寂しいものだった。
「では、シスター・シャーリー…後の事は私達で決めますから、あなたはもうお戻り下さい。
陛下をお連れする場所の手配のこと、くれぐれもよろしくお願いします。
……これは、あなたにしか出来ないことなのですから…」
「……わかっています。
では…もしも、事前に国王が移されるのが地下のどこなのかがはっきりしたら、またお報せに参ります。」
「よろしくお願いします。」
軽く頭を下げ、部屋を出ようとしたシスター・シャーリーが不意に足を停めた。