「うわぁ、気持ちいい風」

「だろ?・・・なあ、お前さ、動物好き?」

「え?」

お弁当箱を開けるあたしに、彼は唐突にそう聞いてきた。



「あ、うん」

なんで突然、そんなことを聞くんだろう?

不思議だったけど、とりあえずそう返事をする。



「そっか、よかった。・・・おーい!」

彼は、屋上の端の方に呼びかける。

あたしは、彼が呼びかけた方を向く。



・・・すると。


「んにゃー」

「え・・・」



端の方から、小さい・・・多分子猫、が顔を出した。

その子は、あたし達に近づいてくる。


「・・・学校に住んでるんだ。ミーコっつうの」

彼はそう言いながら、彼の膝の上に乗る子猫・・・ミーコを撫でた。



あっ・・・。


トクンッ、

そんな音が聞こえた。