ナっちゃんは何を言っているかわからないと言う顔でわたしを見た。
「どういうこと…?」
「ん~っと…」
結局は何もわかっていなくて、気付いたら言っていたんだから、当然だ。どう言ったら良いんだろう…。
「もう上がろうか、ね?」
「うん」
お風呂から上がって、タオルを体に巻き付ける。ナっちゃんも、真似てタオルを体に巻き付けた。
「ケン待って!そっちはダメだって!」
廊下からドタドタと足音が聞こえる。次第に近付いてきたその音は、ガラッとお風呂のドアを開けて入ってきた。
「わぁあ…♪」
「は?ちょっ、ケン!」
「ケンちゃん…?」
「ケン!まだ、蕾たちがぁ………」
わたしの足に抱き付くケン。遠慮がちにお風呂を覗く涼哉。もちろん、わたしたちはタオル1枚だ。
「ぁ…、ごめ」
「出てけぇえええっ!!」
「くはっ!!」
涼哉の謝罪の言葉を遮って、そこにあった服を入れる籠を投げてやった。それは見事に涼哉の頭に当たって、すぐさまドアを閉める。ドタンッと倒れる音がしたのは言うまでもない。