「決まった?」
「ん~っと、これかこっちか!悩んでるんだよねぇ」
ミヤが持っているのは、白のロングスカート。そしてそれと悩んでいるのは、白から黄のグラデーションがあるロングスカート。
「上は何着るの?それで決まるでしょ」
「えっと…、あれ!あれに似た感じの服」
ミヤが指差したのは、ノースリーブの青のシャツだ。
「なら、白じゃない?」
「だよね!よしっ、こっち~」
「ふふっ」
そして白のロングスカートを持って、レジに向かうミヤ。
レジの後ろはガラス張りで、外が見える。わたしは入り口で待っていようと足を進めた。

あれを見るまでは……

あれを見た時、自分の目を疑った。
こんな偶然ってあるの?
目を逸らしたかったけれど、目は離せないくらいにそれに引っ付いた。
「涼哉…」
お店の入り口前で、涼哉が女の子とキスをしている。それも離してはまたキスして、離してはキス…。
涼哉はわたしに背を向けているため、わたしは見えないが女の子は離す度目を開けるため、わたしを捉えていた。