今日も雨が降っていた。
梅雨時期は過ぎて、もう7月だ。なのに雨続き…。それもポツっポツっと、傘をさすか迷うような降り方で、じめっとしている。
「はぁ…、雨って嫌い~」
ミヤが嘆く。癖っ毛の彼女の髪は、ごわごわと膨れていた。アキナと笑いを堪えるので大変。
「わっかる~。じめーっとしててさ、気分下がるよねぇ」
「いや、あのねぇ。アキナと蕾とあたしは違うでしょ!見てよ、この髪!」
髪に目をやると吹き出しそうになった。でも吹き出してしまったら、ミヤの怒りが爆発してしまうため『ぷ…っ』と堪える。
「そう言えば、リョーヤ君もすごい頭してたよね」
「うっ、うん…っ。寝癖と混ざってすごかったよ」
涼哉の髪型を思い出して笑いそうになった。
雨の日は嫌だと言うけれど、笑える日だと思う。

下校時は、ミヤに誘われ服屋に来ていた。
「土曜、晴れるっていってたしさぁ♪」
確かに朝の天気予報じゃ、週末は今と違ってカラッと晴れるらしい。
ミヤは彼氏が居るし、たぶんデートをするんだろう。キャッキャと服を選ぶ姿は微笑ましく目に映った。