『あたしが半分…いいえ、全部持って行ってアゲル』






『……「アリス」…!』






初めて、あたしを呼んだ。




あたしは微笑んだ。




私も微笑む。



その涙を隠すように笑う。





彼女はもうすぐ私の中から消える。




黒龍の鎖を断ち切りながら。




もう、本当の自由が見えてくる。



でももうそこに彼女はいないだろう。




それでも…ここにいた証だけは。



心の中にあるから。