「ちょっと、待っててね」
そう言ってお兄ちゃんの部屋から出た私は、
ひとつ階段を上がって屋上へ・・・
お兄ちゃんに電話をかけた。
プルプル
プルプル
プルプル
3コール目で電話を受け取った音が聞こえた。
「もしもし!お兄ちゃん!」
ひろと君からの誘いは嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉し過ぎるけど。
やっぱり美希さんも心配で
このまま行っちゃっても楽しめないのはわかってたから
電話をかけた。
「花音?どした?」
お兄ちゃんの声が落ち着いていて少し安心した。
「美希さん、大丈夫なの?」
「美希…?あぁごめんな。心配かけて!今から大翔に連絡しようと思ってたんだけど、美希あいつバカでさぁ…」
ケラケラ笑うお兄ちゃん。
私は胸を撫で下ろした。
「お母さんが家出て行ったとか言って、ケンカちゃったからだ。って自分責めて…でも結局ただの買い物でさ」
優しい声のお兄ちゃん。
1番安心したのは私じゃなくて
お兄ちゃんみたいだ。
「よかった。また美希さん連れて来てね!」
ひとり屋上でぴょんぴょんしながら電話を切った。