カランカランカランカラン


お父さんが買ってきた玄関のドアについている大きな大きな鈴は2階にある自分の部屋に居ても聞こえる。



「おじゃましま〜す」



お兄ちゃんより少しだけ低い声が聞こえたと思えば。。



トントントントン、と階段を上がってくる足音が聞こえてきた。



高校3年生のお兄ちゃんは、
私と同じ受験生のはずなのに



毎日毎日、友達と遊んでるんだよ。



「いいなぁ、お兄ちゃんは」


ひとりでそう呟いた時には、
シャーペンはもう3問目の問題にに進んでいた。