「わかった、気にすんなよ」
ひろと君は優しい声でそう言うと携帯をしまった。
「美希ちゃん、深刻っぽいな・・・
美希ちゃんのお母さんが家出たとかそんなで。海斗、遅くなるらしくって。俺帰るわ」
そう言ったひろと君は、机の上にあったオレンジジュースを一気に飲むと
「ごちーさん」と言った。
「帰っちゃうの…?」
もっともっとひろと君と話したい!
そう思う私は、美希さんの心配も忘れてしまっていた。
いつも優しく笑って話を聞いてくれる美希さん。
今時のオシャレとか、流行をいっぱいいっぱい教えてくれた美希さん。
お兄ちゃんから告白されたときとか、いっぱい話してくれた美希さんが・・・
困ってるのに
悲しいのに
私は自分のことばかり。。