「こっち、おいで」




優しく笑いかけてくれて


私と心臓はさっきよりももっともっと激しく動く。



そっとお兄ちゃんの部屋の中に入った。




「花音ちゃんだっけ、よろしくな。
まー、俺のことは大翔でいいからな〜」




またにっこり笑ってくれる。




「……ひろと君。」




「ははは、なんか照れるな。」




今度は頭をかいて恥ずかしそうにする。




私の心臓はどのまで早くなるのお?




「いつも、海斗から名前は聞いてたよ」



優しい瞳に吸い込まれた。




「見つめすぎたよ、花音」




か、か、か、かのんって言ったぁ!?!?!?





こんなにも自分の名前でドキドキするのぉ!?




ってくらいドキドキして


もう声が出なかった。