「はーい。」



そう言って出てきたお母さん。



「あ、すみません。こいつ、熱があるんですけど部屋は…」



「あら、そうなの?わざわざごめんね?
部屋は2階なんだけど…運べる?」



「当たり前です。俺、一応これでも彼氏なんで。頼りないかもしれないですけど役に立ちたいですし……」



早瀬君はさすがというほど機嫌をとるのがうまい。


もうお母さんを虜にしている。



「じゃ、よろしくね?」



「えぇ、任せてください。」



すごいよ、早瀬君の愛想の良さには。
私なんて人見知りするからなぁ……。