「ったく、おまえはなにやってんの?
バカなの?いや、バカだな。」



早瀬君はそう言って私の目に溜まっていた涙を拭った。



「もうっ、早瀬君に助けてもらってばっかりで嫌だ…っ!」



ギュッと早瀬君に抱きつくとヨシヨシと頭を撫でてくれる。



「相田さん、大丈夫だった?あの男に変なことされてないよね?」



私を抱きしめながら紗香に聞く早瀬君。



「あ、うん、私は大丈夫。よくあることだしね。」



紗香、無事か。よかったぁ…。


って、え?



「紗香、よくあるの⁉︎ 」



早瀬君を振り払って紗香にそう聞く。