「じゃあなんで?」



また一歩近づいてくる。



「キスが嫌なのっ!」



また一歩後ずさる。



そんなやり取りをしていたらついには、



「あ…」



壁に背中がついてしまった。



「逃げ道なくなっちゃったね?どうしようか。」



クスッと笑って言う早瀬君。



「や…っ…」



「なに涙目になってんの?」



トンと私を挟むようにして両手を置かれる。


完全に逃げ道がなくなった私。



キスなんてーー無理だよ。