そして気づく。


………間接キスしてしまった、と。



カァと体温が顔に集まる。



「やっと気づいたか、バカ。
で、それ食べるの?」



「や、それは…その…」


食べたいけど食べれない。



「貸せ。」



クレープを奪い取られる。



「ちょっ、返して…っ!」



「食べたいんだろ?ほれよ。」



「はむっ!」



今度は早瀬君が私の口にクレープを突っ込んだ。



「ひゃあぁぁ…っ」



これで完全に間接キスしちゃったよ…。



「なに変な声だしてんの?
俺がイジメてるみたいだろ。やめろ。」



「だって、だって、早瀬君が……っ!」



クレープ口に突っ込んだのがいけないんだよぅっ!



「なんで突っ込むのよっ!」



「え、だって食べさそうにしてたから。」



反省してる様子が全くない早瀬君。



「ば、バカッ!」



「あー、わかったから、食べろよ、とりあえず。」



「うん………」



クレープは甘くて美味しかったです。