「早瀬君のバカッ!大っ嫌い!
慣れてそうじゃんって言うけどさ、
慣れてるわけないじゃんっ、初恋もまだなのにっ!」
逃げたい。怖い。早瀬君と離れたい。
……でも、足がすくんで動かない。
「えっと…つまり遠藤はそういう経験がないと?」
「ないわよっ!
悪いけどキスもしたことないし、抱きしめられたのだって昨日の早瀬君が初めてよっ!」
拭いても拭いてもし出てくる涙。
私…怖かったんだ。それだけ怖かったんだよね…
「本当、ごめん。
まさか本当にピュアとは思わなくてさ。
これ、使ってよ。」
そう言って早瀬君はハンカチをくれた。
「ありがと…」
私のハンカチは教室だ。
おとなしく借りておく。