「なに言ってるの?あんたは早瀬君が好きなんでしょ?なら奪い取るまでよ。」
「奪い取る……」
奪い取るって、逆に私が奪い取られたんじゃ……。
多分三浦さんは私のいない間に早瀬君にアピールとか頑張ったのかな?
って、そのまえに三浦さんが早瀬君のこと好きなのかわかんないか。
じゃあ早瀬君の片想い?
早瀬君、アピールとかするのかな?
「もうっ、愛美、考え込んでないで早瀬君を早く取り戻しなさいよ。
じゃなきゃ本当に取られちゃうよ?三浦さんに。」
「やだ……。早瀬君と三浦さんには悪いけど奪い取るっ!」
やれることをやってみよう。そう意気込んでいると紗香はコクリと頷いた。
「そうそう。あんたは積極的にならなくちゃ。恋はアピール勝ちなんだから。」
「うん、頑張るっ!」
そう明るく返事をしながらも私は初めての恋にとまどっていた。