くるっと振り返り、女の人の前へしゃがみ込んだ時にはもう、アンはいつもの明るい笑顔に戻っていた。




「大丈夫ですか?」




所々穴の空いているボロボロの服を着たその女性は、目から大粒の涙をこぼしながら深々と頭を下げた。




「ありがとうございます!!……本当に……ありがとうございます……!!」




あふれる涙を拭おうともせず、腕の中でスヤスヤと眠っている赤ちゃんを抱きしめている。


アンは優しい笑みを浮かべて、赤ちゃんの頭を撫でた。




「可愛い赤ちゃんですね……。」








その時、背後でカサッと草を踏む音が聞こえた。