五時になる15分前のこと。

「あと…15分か…長いなー」

トゥルルルルルル♪

「じぃじー、電話でてー」

じぃじが電話でて、じぃじがきった後にこっち向いた。
その途端にこう言葉を発した。

「ちびたが…ちびたがいま…息を引き取ったって…」

部屋の中が沈黙に沸く。

あたしは信じられなかった。
数ヶ月前はあんなに元気だったのに、
少しだけ外をでてネコ同士喧嘩しただけで怪我しただけで、ネコが死ぬとは思わなかったから…。
本当に思わなかったから…。

だから、でてくる言葉がなかった。
なにも…なにもなかった。

「いまからじぃじがちびた迎え行って来るから、まってて」

じぃじが迎え行ってる間、あたしたちはまだ、沈黙だった。
姉は涙を流す。
母は医者の文句を言う。
兄はがっかりした様子。
あたしは無だった。

じぃじがきて、ちびたを…もう息をしてないちびたをカバンからだした。

「ごめんな、ちびた。こんな年寄りに育てられたから、お前の怪我をみることができなかった。本当にごめん」

と謝り続けるじぃじ。

「なんで…泣なんでよ泣」

と泣く姉。

「こんなに酷くされて。痛かったよね。ごめんね、ちびた。救ってあげることできなくて、すぐ気づいてあげれなくて。」

と自分のせいにする母。

「…」

と無言のままちびたの胴体を触る兄。