「あ、脅す気はないんだ。ごめんね?」

「あっ…いえ……私こそ、すみませんでした」

しばらくの沈黙。

私は少しだけ、その人を見る。

すごく、カッコいい…。

目はキリッとしていて、鼻はスッとしている。

バランスのとれた唇、シュッとした輪郭…。

モデル、俳優といわれたら誰もが騙されるだろう。

少しだけ…と思っていたのに、すごく見ていた様だ。

「ん?どうしたの?俺の顔に何か付いてる?」

「あっ、いえ…つ、ついてないです!!」

「そう?なら良いんだけど。って見ない顔だね。1年生?」

そう言いながら顔を覗きこむ、その人……。

「あっ、あっ………はい!!私、1年の山根愛実(ナルミ)です!あの…そちらは…?」

慌てて返事をする。

「やっぱり~。って俺?俺は3年の島田 陽翔(ヒカル)。よろしくね」

だ、大分…先輩だった………。