今、誰もいない……。よしっ!!!!!!!!!!!!
扉を開けて、あの窓から!
私は窓を開けた。
ガスパイプを滑り降りて、庭に降り立った。
きたー!この時を待ってたんだー!マントもちゃんと着たし、姫ってばれないもんね!
門を開けた。
外に出ようと思ったその時、
「いけませんよ。咲羅様。」
聞き慣れない、男の人の声がした。
一気に血が引いた。振り返ると、今朝見た、黒いスーツの男の人がいた。
黙っていると、こっちに近づいてきた。
「来ないで!!!!!」
男の人は止まった。
「申し遅れました。今日からあなたの執事です。高宮剱水と申します。」
「って、知らない!認めない!」
「でも、多数決をとったとしても負けますよ?咲羅様?」
「ぅ………」
だろうな…。終わった…ずっとつきまとわれるんだ。
「とにかく、戻りましょう。」
剱水は私の腕を掴んでいた。
…!!
「離して!」
いつものように振り払ったのだが、振り払えなかった。
「離してよ!執事なんでしょ?!離して!」
両手ではがそうとしてるが、全然びくともしない。
「では、お認めになられますか?」
「もう何でもいい!私に関わらないで!!」
「それは無理な願いです。」
「いいから、離しなさいっ!」