私は、この家の家族ではない。

今の両親に子供は恵まれなかったのだそう。

咲羅という名前もこの家に来たときにつけたのだ。

深くは教えてくれなかったが、私はさまよっているところを牧師に助けられ、引き取り相手を探していると、ちょうど今の両親が困っていたらしい。


私の中に残っている記憶は、とても大切な人達に何かしら裏切られた。ということしか覚えていない。

ずいぶん小さかったからだ。

それからは、人を信用することはなくなった。

なぜなら、あの気持ちになるのがとても怖かったからだ。



もう二度と………