「そろそろ帰るか。」
「ほんとだ……夕焼けだ…」
本当にあっという間だった。
するとさっきのパンの店で切れそうな紐で結んである荷物が今にもおばあさんに倒れてきそうだった。
すると、ひもが切れた。
私はいつの間にか体が動いていた。
「おい、陰陽師!」
そして、おばあさんをかかえた。
「咲羅!!!」
目をあけると、間一髪。よけることが出来たのだ。
すると、町の一人が
「もしかして、姫様?」
この言葉に
「咲羅姫?」
「この町に来てくださった」
「お守りくださった」
「こんなに近くで見れるなんて…」
私ははっとした。おばあさんをかばった勢いで、フードがはずれたのだ。
だが、皆が感謝の言葉や、姿を見れたことの嬉しさを語っていた。
「陰陽師、大丈夫か?」
「うん…。」
私は町の人に
「心配をかけてしまって申し訳ありませんでした。」
頭を下げた。
「姫様!顔をおあげください。」
「おばあさんも助かったんですから!」
おばあさんの方を見ると
「命の恩人だよ。ありがとう。」
おばあさんの笑顔がとても嬉しかった。
「………はいっ!」