「ま、町に出たい?!」
 
たぶん、“町に行きたい”と言うのに驚いたのではなく、申し出たことに驚いているのだろう。


「町の人と話したいの。」

しばらく黙り込んでから、

「剱水くんを連れて行きなさい。」

「私たちも行こうかしら。」

「行くのかい?」

あとは二人でラブラブしていたので、さっさと立ち去った。

部屋から出ると、高宮がいた。

「行くんだろ?」

「盗み聞きしてたんだ。」

「いや。“聞こえた”のほうかな。」

「さっさと用意するから。マント出しといて。」

「かしこまりました。」

  
……あれ?あー!しまったー!高宮に頼ってしまった……。
最悪だ……。