剱水の気持ち~
今日は何故か咲羅は機嫌が良かった。
何があるのか気になったので、近くにいた40代くらいのメイドに聞いてみることにした。
「あの。」
「なぁに?」
「咲羅様は今日は何故あんなに元気なんですか?」
「あぁ。それは、庭に鳥がくるのよ。」
「鳥、ですか?」
部屋を掃除しながら
「そうなの。鳥に餌をあたえるとが至福のとき。だとか。まあ、お嬢様はご両親に甘えたことありませんからね。いいお友達なんじゃないかしら?」
ふーん。なんかあるな。
「これで、城も抜け出さなかったらもっといいのにね。」
すると、手を止め、
「ちゃんとお嬢様のこと、見てよね。」
そう言ってから、ニコッと笑った。笑うとシワが少し分かりやすくなった。
「はい。分かりました。」
頭を下げた。
窓から庭を覗くと、咲羅が鳥に餌を与えながらじゃれていた。
特になにも思わず、そのまま手伝いをしにメイドのところに向かった。