ちゅんちゅん



「お嬢様、お嬢様!朝ですよ!」

いつものメイドの声がする。

「何曜日?今日……」

眠さが残るが聞いてみた。

「木曜日ですよ。」

「木?!」

ガバッと起きた。
布団をはぎ、急いで着替えた。

「いい?いつものようにお願いね!」

「かしこまりました。」

部屋の扉を勢いよく開けた。


あいつがいた。

「咲羅様、髪がまだ整っていませんよ?」

「いいの!」

と、言いつつもてぐしで、髪をといた。

「今日は邪魔しないで!」

そのまま走り去った。
咲羅の姿が見えなくなってから、

「…“今日は”だね。」

小さい声で嬉しそうにつぶやいた。




「ちょうだい!」

「パンのかけらの準備は出来ています。」

紙袋に入ったパンのかけらを渡された。

「今日はいっぱいね!ありがとう!」

体が軽い!足もいつもより速いかも♪

王宮の扉を勢いよく開き、庭に向かった。