急にゴンっと衝撃がくる

「…」

「あれ?さんいたんだぁ。ごめんねぇ、見えなくてぇ…」

「…大丈夫、です」

「だよねっ?本当に、ご・め・ん・ねぇ?」

ニヤニヤと甘い感じで話す女。神崎(カンザキ)ニイナ。
いちいち鼻につくんだよ。絶対今のわざとでしょ…。
でもそんな事言えない

「ちょっとニイナ。何あいつの事触ってんのよ、気持ち悪い。ほら、サニタイザー。消毒しな?」

神崎が去って行ったところから聞こえて来る

「だってぇ。ニイナ、おっちょこちょいだからぁ」

「もー。」

…別に良いけどね。これが初めてじゃないし

教室からはくすくすと笑い声が聞こえてくる
でも気にしない
気にしたら負けだ

私、東芽衣(アズマ メイ)は負け組だ
容姿もくさってる性格も

居づらい。屋上に移動しよう

ガタン、と席を立ち教室の外に出る
廊下を曲がった瞬間再び体に衝撃が。

ドスンとしりもちをつく

「…痛」

「いってぇ…。」

ハッとして顔を上げるとそこには私と似た地味君が
髪は普通だけどメガネで全然顔が見えない
スタイルはなかなか良いけど…
いかにも残念君かな
…私が言えないけど

地味君は立ち上がると何も言わずに去ってしまった

…なんなのあの感じが悪い奴は。
あやまってくれても良いじゃん
私も悪いかもしれないけど…
あんな男はいやだ