桃があんな卑怯なことする子じゃないって、今でもどこかで信じてる自分がいる。



桃にあたしの思いが伝わるって信じてる。



でも、あたしの思いとは裏腹にあたしの言葉に般若のような顔をして迫ってくる。




「・・・なんでよ。なんで、そんなこと言うわけ?

せっかく、邪魔がいなくなったと思ったのに。近づけるチャンスだと思ったのに。

はぐらかすかと思って、写真まで撮ったのに。これじゃあ、こんな写真、脅しになんか使えないわ」




ポケットから10数枚の写真を抜き取り、あたしに向かってバンッと投げつける。





その衝動で写真が舞い落ちる。




その写真はやっぱり、あたしと悠斗が昨日、ここで気持ちを伝え合ってた時の写真だった。




その中には、やっぱりあたしと悠斗のキス写真までしっかり撮られてる。