初サイド
「ふぁゎ・・・眠い・・」
大きなあくびをしながら学校へ向かう。
昨日はあれから2人で後夜祭が終わるまでずっと抱きしめ合ってた。
あれって、夢じゃないんだよね?
不意に唇に手を当て昨日のキスを思い出す。
でもそんなこと思い出したらニヤニヤしてきちゃう・・・。
悠斗の隣に入れること、笑いあえること。
欲しくても手に入れられなかったものが、今ようやく手に入れられた。
その実感が今日になって湧いてくる。
「初ちゃん、遅いよ!早く手伝って」
その声であたしのふわふわした夢のようなものが一瞬で消え去る。
そういえば、後片付けなんだった。
昨日、文化祭が無事成功したということだから今日はその片付けをみんなでしないといけない。
今まさに一緒にメイドカフェをやってた女の子があたしを見つけて走ってくる。