それは、あたしが気に入ってる黒と赤のチェックのハンカチ。
「・・な、なんで・・・」
この頃探しても見当たらないから、無くしたのかと思ってたのに。
「俺が見つけた。・・・・俺が倒れて、保健室にいるとき」
その言葉にはっとする。
そういえばあの時、悠斗が汗かいてたからあのハンカチで拭ったんだっけ。
あたしはなんてバカなことしたんだろ。
下を向き、ぐっと手を握りしめる。
ついに言い返さなくなったあたしに悠斗が小さく息を漏らす。
「・・・なぁ、初。
俺は・・・初が好きだ・・」
・・・えっ・・。
予想外の言葉に思わず上を向く。
真正面には悠斗の整った顔があってドキっとした。