ぐっと手を握りしめる。
タンタンっと何回かボールをバウンドさせて、シュッと弧を描いて放たれたボール。
それが綺麗にゴールの中に吸い込まれていく。
・・・なんか、悠斗がすごくカッコよく見える。
まるで、違う空間にいるみたいに体がふわふわする。
ピーっと終了のホイッスルを鳴らされはっと気がつく。
それと同時に感じる頬の熱さ。
「なんと!夏木悠斗君が5本中5本決めたとゆうことで、勝者は夏樹悠斗君だぁー!!」
「「「おぉーー!!」」」
すごい・・・全部決めちゃうだなんて。
あまりの凄さに言葉が出てこない。
「さぁ、とゆうことで、悠斗君には初ちゃんと後夜祭を一緒にいれる券を差し上げたいと思いまぁーす!」
その声と同時にギュと握られる左手。
「これで、初は俺のもんだな」
「・・・っ・・」
さっきのバスケ部のリーダーの人に小声でそう言い、あたしの手を引っ張りながらステージを降りる。