「心配するな」

取り調べに同席していた倉本が言う。

「被疑者の身の安全は、警察が責任を持つ。どちらにしろ薬物の使用、所持などは最高刑で無期懲役だ。お前はもう娑婆に出られない。安心して自供しろ」

「……」

それも殺されるのと同じようなものだ。

複雑な表情を見せる男。

自業自得ではあるが。

「元々…クスリは中国から仕入れたって…俺にクスリを卸した暴力団の奴は言ってた…流通ルートは、この辺を仕切ってる鬼首會が握ってたんだけど、組長が三代目になってクスリの取引をやらなくなって…その流通ルートを、その暴力団がそのまま横取りしたんだって…」