このまま頭を殴り潰されるのではないかというほどの滅多打ちだったが。

「古賀…!」

巽への殴打に夢中になっていた古賀の顔面に、倉本渾身の中段正拳突き!

ゴッッッッ!という鈍い音と共に、古賀の顔面が陥没するほどに正拳がめり込んだ。

頭蓋骨に罅が入っているのは間違いない。

鼻骨や頬の骨などは、目に見えて折れていた。

「あ…ぐぅ…!」

顔を押さえて呻く古賀。

その押さえる両手ごと、倉本は回し蹴りで蹴り砕く!

乾いた音と共に、両手の中手骨が折れる。

中手骨頸部骨折。

この骨が折れると、拳を握る事が出来なくなる。