アスファルトに横たわる巽、跪くクリス。

そんな中、倉本だけは倒れずにいた。

膝が折れ、今にも崩れそうではあるが、倒れてはいない。

「一端に根性あるじゃねぇか。オネンネしなくていいのか?」

「…自分の任務は…貴様を逮捕する事だ…古賀…」

「だったら…」

今度は古賀から一気に詰め寄った!

「手錠(ワッパ)かけてみろやっ!」

まだ構えてもいない倉本の脇腹に、古賀の拳がめり込む!

その威力に、倉本の体が僅かに浮き上がる。

その浮いた倉本に、今度は右フック!

立て続けに左フック!

アッパー、ボディ、右フック、組み付いての頭突き!

よく倒れない…と言いたい所だが、古賀が殴り続けているからこそ倒れないだけの話だった。

殴打をやめれば、今すぐにでも倉本は倒れるだろう。