エンジンを吹かしながら、両手で握ったチェーンソーを振り下ろす中毒者!

「逃げろ!」

倉本は美奈を連れ、中毒者から距離をとる。

地面を叩くチェーンソーの先端。

その拍子に泥や石が飛び散る。

錆び付いて古くなっているとはいえ、その切断力は些かも衰えていない様子。

人間の体など、容易く両断できるだろう。

「絶対に近づかせるな。あんなものを食らったら最期だぞ」

何とか距離を離し、ショットガンを発砲しようとする倉本。

しかし中毒者もそれを分かっているのか、チェーンソーを頭上に掲げたまま駆け寄ってくる!