獣のように唸り声を上げ、我先にと倉本達に殺到する中毒者達。

倉本はそんな彼らを、素早いショットガンの連射で次々と射殺する。

…バスソルトを摂取したとはいえ、彼らは紛れもなく人間だ。

だが倉本は、躊躇なく撃った。

見境なく他者を襲う彼ら中毒者を、野放しにはできない。

そして倉本の傍らには、美奈もいる。

倉本の一瞬の迷いが、自分一人でなく、美奈の命をも危険に晒す。

躊躇っている暇はなかった。

守る為になら迷わず己の手を汚す。

それが刑事である倉本の覚悟だった。